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07 未来につながるレガシーを

田嶋 幸三
KOHZO TASHIMA

07 未来につながるレガシーを 田嶋 幸三

男女ともに世代交代が進む日本代表。来年東京での活躍が期待される選手たちが、将来の日本代表を背負っていくようになるだろう。そんな現在の日本代表をどう見ているのか?かねてより育成をテーマに掲げている日本サッカー協会の田嶋幸三会長に話を聞いた。

新ユニフォームについて、どんな感想を持ちましたか?

田嶋:「日本晴れ」という言葉がすごく好きです。初めて聞いた時から良いコンセプトだと思いました。若い人も受け入れやすいデザインだと思います。あとは、代表が勝つことでユニフォームの価値が上がると思うので、責任も感じています。

これまで見た中で、印象に残っている空はありますか?

田嶋:子供の頃に住んでいた世田谷は今でこそ芸能人が住んでいるようなエリアですが、当時は蛇が出るような場所で、網や釣竿を持って近所の坂を歩きながら帰っていると、夕陽に染まった富士山が見えて、子供ながらに美しいと感じていました。また、高校が浦和までの遠距離通学で、荒川の土手を走る電車の中から見た朝焼けや夕焼けは印象に残っています。若い時は空を見ていましたが、年齢を重ねると書類確認や考え事で下を見てしまいがちなので、もっと空を見ないといけないと自分に言い聞かせています。

改めて、昨年のロシアW杯について振り返って頂けますか?

田嶋:会長として大きな決断をし、覚悟を持って臨んだW杯でした。自分の進退をかけることは簡単ですが、日本サッカーをこれからどうしていきたいかというビジョンがある中で、どう行動すればいいかを常に考えていました。代表が勝つことで日本のみなさんに喜んでいただくためには、当然ベストな状態でチームを送り出さなければいけません。そして、そのための決断をしました。西野さんは短期間でしっかりチームをまとめてくれ、その積み重ねが初戦のコロンビア戦での開始3分のPKにつながったと思います。みんなで一致団結して望めばこんなことも起こるのかと思いました。
ただ、ベスト8をかけたベルギー戦では私も夢を見てしまいました。プロとして良くなかったですね。ただ、自分たちがこれまでとは違うステージに上がった気がします。真剣勝負の舞台で強豪国と対等に戦えたことは素晴らしいことである一方、さらに上へ進むには何をしなくてはいけないのか、そんな思いがすぐに浮かびましたね。自分が描く日本サッカーの将来に大きな影響を与えた大会でした。

今年の夏に行われた女子W杯はいかがでしたか?

田嶋:残念ながらベスト16で敗れました。決勝まで進出したオランダが相手でしたが、勝てる内容だっただけに非常に悔しかったですね。

代表の世代交代について、どう考えていますか?

田嶋:男子については森保監督が大胆に進めています。私が会長になった時に、「育成日本復活」という言葉を掲げ、育成の改革に挑みました。その中で、2017年のU-20W杯に出たチームがアジアチャンピオンになり、本大会でも予選でイタリアと引き分け、ベスト16で準優勝したベネズエラに負けはしましたが、国際経験を積みながら次に繋がる良い戦いをしてくれました。その主力が、来年の東京を目指すU-22の代表でもプレーしています。
女子の場合は嬉しいことに育成年代が成長していて、2018年のU-20W杯で世界チャンピオンになりました。女子代表は全世代が世界チャンピオンになった唯一の国なので、自信を持って挑んで欲しいです。アジアや育成年代では不動の地位を築いて欲しいですね。

その中で、いよいよ来年は東京で世界の祭典が行われます。

田嶋:前回の東京大会が行われた時は小学2年でした。私自身も駒沢陸上競技場で観た試合がきっかけでサッカーと出会い、ありがたいことに今もこうやってサッカーに関わっています。来年の大会でも、そういった未来につながるレガシーを作ることが大切だと思います。前回の東京大会で女子のバレーボールチームがレガシーになったように、サッカーもそうなって欲しいですね。そのためには、やはり勝つことが求められます。森保監督も高倉監督も「金メダルを目指す」と言っており、その心意気に感謝し、彼らの志を応援したいです。男女ともにメダルを目指して欲しいですね。

男子はカタールW杯のアジア予選が始まりました。

田嶋:世代交代の波にはうまく乗れているので、そのピークが2022年のカタールW杯になればいいと思います。大変ですが、危機感を持ちながら進めていきたいです。まずはA代表がカタールW杯に出場すること、そして来年の東京でU-23世代が活躍すること。そうやってだんだんと波を大きくしていきたいです。このタイミングで、東京で世界の祭典が開催されるのは本当に大きなことだと思います。女子も、世界を制した若い世代が、さらに世界を脅かすようなモダンなサッカーを展開して欲しいですね。

常に憧れの存在でいるために

会長にとって日本代表はどんな存在ですか?

田嶋:夢であり、憧れですね。サッカーをプレーしたことがあれば、誰もが一度は日本代表のユニフォームに憧れたと思います。上手い下手に関係なく、日本代表に入りたいという夢自体は、みんなが平等に持つことができますよね。日本代表は、常に夢を持ってもらえるような存在でいなければいけません。

日本代表に関して、印象に残っているエピソードはありますか?

田嶋:やはり、一番はジョホールバルで岡田監督がW杯の初出場をつかんだ瞬間ですね。当時は日本でテレビの解説をしていましたが、「やっと夢が叶ったんだ」という思いは今も忘れられません。

この30年で、日本サッカーを取り巻く環境も大きく変わりました。

田嶋:1980年代後半にJリーグ発足に向けた動きが始まりました。まだまだ日本でプロリーグが生まれるような環境でない中、手を挙げてくれた先輩方に対する感謝の気持ちは非常に大きいです。それがなければJリーグはもちろん、2002年の日韓W杯もありませんでした。私自身は1996年にドイツ留学から帰国し、日本サッカーに関わるようになりました。良い歴史も悪い歴史も見ながら、現在会長を務めています。2021年に日本サッカー協会は100周年を迎えますが、多くの先人たちの苦労があり、今の日本サッカーがあると思います。そういった意味でも、過去へのリスペクトが、未来のリスペクトを作っていくのではないでしょうか。

日本サッカーが成長するためには、どんなことが必要だと思いますか?

田嶋:社会的にも、働き方改革やコンプライアンスといった、守らなければいけないことが増えてきました。ただ、選手を育てるのは、生半可な気持ちではできません。選手が何かあった時に24時間サポートできるような体制を作るくらいの情熱がないと信頼は得られないですし、そういう人たちが多くの選手を育ててきたと思います。変えていいことと、そうではないことの判断が重要になってくると思います。我々が相手にしているのは世界です。その世界に勝つために、どう戦っていけばいいかを常に考え続けていきたいです。

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