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サッカー日本代表フィジカルコーチ 松本 良一氏が語る
「ピッチで必要とされるスピードのすべて」とは

プレースピードが急激に増す現代サッカーにおいて、縦への突破に必要な直線的な『スプリントスピード』はもちろん、方向転換や切り返しに必要な『ステップスピード』(アジリティ)や、スピードを落とした状態から相手を出し抜く瞬間的な『ゼロイチスピード』(クイックネス)という、異なる3つのスピードの重要性に注目が集まっています。
そこで、現代サッカーで求められる3つのスピードについて、サッカー日本代表フィジカルコーチの松本 良一氏にお話を伺いました。

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世界でのサッカーの戦い方やトレンドについて

2000年代のはじめから分析技術力が上がり、戦術やフィットネス面に関する議論が重ねられることによって、試合展開がよりスピーディーになってきています。
ただスピードは上がりましたが、選手の走行距離は実はそこまで変化していません。
変化しているのは、いわゆる「インテンシティ(強度)が高いランニング」と呼ばれる、時速約 20 キロ以上のランニング距離が伸びていることです。
高度な戦術を持つチームを相手に戦っていくには、それぞれの選手がその高強度のランをどれだけ繰り返せるか、繰り返し走る中で早い判断力や技術力を維持できるかが、特に重要になってきていると思います。
この高いインテンシティの中で判断力と判断スピードを落とさないことこそが、戦術を作るために必須であり、日本代表における課題だと考えています。

サッカーにおける地面反力の重要性とトレーニングについて

サッカーにおいてもきちんとしたフォームで、良い状態で走ることは重要です。
ただ現代サッカーにおいては 1 対 1のデュエルと言われる場面で、体をぶつけ合いバランスを崩した状態になることが多いので、そういった中でアジリティや細かなステップワークを発揮するところから、いきなりトップスピードに入ることが求められます。
そのため地面反力についても、まず基本となる力を加える方法を持ちながら、実際の練習で様々なトレーニングを与えることで、異なる場面においても良いタイミングで力を発揮できるようにしています。
また、それぞれのポジションによって必要となるスピードは異なるため、トレーニングのアプローチも選手によって変わってきます。
特に代表選手のレベルでは一瞬の判断からトップスピードに持って行くことが必要になるため、そこでコンマ 1 秒の差が出てきます。

スパイクの機能性・履くときに大切にすべきことについて

日本が世界に渡りあっていくためには、ポイントのひとつとなるのはやはりデュエルだと考えています。
例えばボールを奪いに行く時、体を当ててふんばった時にしっかり止まれるのか。もしくはドリブルをしている際に相手に体を当てられバランスを崩した時、しっかりステップを踏めるのか。
デュエルの場面でまずしっかり止まれる、そこからスプリントスピードに入ることができる、そういったプレーを可能にするスパイクの機能性があれば、日本のサッカーはより高いレベルへ行くことができると考えています。
スピードを高めるためには、良いフォームで走ることが重要であるものの、サッカーの場合は、色々なポジションによる特性というものがあります。
そのため、まずは自分のポジション特有の動きをしっかり理解し実践した上で、履いているスパイクがその動きに合っているのか、ましてはそのスパイクによって自分の強い部分をさらに向上させることが出来るのかを判断することが大事だと思います。

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プロフィール

松本 良一(まつもと りょういち)
福岡県出身、中京大学大学院卒業。
学生時代に選手として活躍後、1999 年立正大学サッカー部フィジカルコーチに就任。
その後ジェフユナイテッド市原・千葉、アビスパ福岡、サンフレッチェ広島などのフィジカルコーチを歴任し、2018 年よりサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)のフィジカルコーチを務める。JFA B 級コーチライセンス保有。

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