アディダス - ハンドボール スペツィアル

はじまりはひとつのSPEZIAL(スペツィアル) ：コートを飛び出した競技用シューズ
adidas OriginalsのHANDBALL SPEZIAL（ハンドボール スペツィアル）は、その名の通りハンドボールの競技用シューズとして誕生し、屋内のコートでアスリートたちをサポートしていたが、今ではコートを飛び出して世界中のストリートで見かけるようになった。機能性に裏打ちされたフォルムとデザインで40年以上にわたり人気を博す、アイコンの歴史を解き明かそう。

勝利への渇望から開発に着手
ハンドボール スペツィアルの歴史は、ドイツにおけるハンドボールの歴史でもある。諸説あるが、近代ハンドボールの起源は20世紀初頭のドイツとされ、発祥の地として古くから強豪国に位置付けられてきた。

しかし、長らく王座から陥落していた選手たちの飽くなき勝利への渇望から、のちにハンドボール スペツィアルと呼ばれる新作シューズの開発がスタートした。

走・跳・投を支える頼もしい機能性
ハンドボールは、しばし“空中の格闘技”とも称される。走・跳・投の三要素を生かしてダイナミックな動きで戦うプレー ヤーたちは、身体の土台となる足元のシューズに耐久性や安定性、クッション性、グリップ力、軽量、快適度など、可能な限りの機能性を求めた。

飢える彼らの要求に応え、耐摩耗性に優れたスエードアッパー、T字型の補強パーツをあしらったT-トウ、グリップ力の強い4ゾーン構造のアウトソール、クッション性の高いガムソール、パッド入りのシュータン、踵をホールドするヒールカウンターなど、頼もしい機能性を備えた試作品が約3年の歳月を費やして完成した。

そして、代表選手たちは1978年の世界選手権にこの試作品を着用して出場すると、見事母国に40年ぶりの優勝をもたらす。
翌年、試作品は英語で“Special”を意味するドイツ語の“Spezial”を冠してデビューした。

アイコンの足元
1990年代、オンコートで継続的に好評を博す、オフコートではマンチェスターを拠点とするワーキングクラス出身のロックバンドがステータスを押し上げた。まるでユニフォームかのように足元を固めるロックスターの姿は、アイコンとして多くの人々にインスピレーションを与え、ドイツで生まれた競技用シューズの世界的な人気を切り拓く。

さらに1990年代半ばには、伝統的なブルー&ホワイト、レッド&ホワイト、ホワイト&ブラック以外のカラーリングが初めてローンチされ、この豊富なバリエーションがさらなるブレイクの足掛かりとなった。

22年も
トッププレーヤーが足を委ねるハイスペックな頑強性は、当然タウンユースにおいても発揮される。
2023年、ある顧客からアディダスにシューズが寄贈された。それは、2001年から22年間フォルムを崩すことなく、履き続けられたのだという。

永遠のマスターピース
ブームを経て、長きに渡って親しまれ、定番と化しながらアップデートを繰り返し、半世紀近くエバーグリーンな輝きを放ってきた。新しい時代には、新しいモノが支持されるとは限らない。ハンドボール スペツィアルは、これから先も永遠のマスターピースであり続ける。トレンドの、その先を見据えて。

ハンドボールの伝統を受け継ぎ、レトロなムードとクリーンなデザインを極めたハンドボール スペツィアル。
その魅力は、多様性にある。
足元にスリーストライプスを求める、すべての人たちへ。

変わりゆく同じもの
ハンドボール スペツィアルが誕生から半世紀近く愛されてきた理由は、時代に応じたアップデートを重ねながら、ブレることのない機能性とデザインにある。T字型の補強パーツをあしらったT-トウ、グリップ力とクッション性に優れたガムソール、踵をホールドするヒールカウンターなど、ハンドボールプレーヤーたちの俊敏な動きをアシストするための純然なディテールは、イギリスのカジュアルズから世界へ広まる過程で、アイコニックでタイムレスなデザインとなった。

あらゆるシーンで調和
機能に基づくデザインは、単に街で映えるだけでなく、ある時は気品を、またある時は遊び心を足元にもたらしてくれる。履きこなすには、高度なファッションセンスも、豊富な知識も、抜群の運動神経も、ロケーションを不安に思う気持ちも必要ない。時代のムードを的確に捉え、あらゆるシーンで調和を取り、どんなスタイルも受け入れてくれる。ここでは、その一例を紹介する。

個性のスパイス

競技用シューズのDNAを持つハンドボール スペツィアルだけに、ホワイトソックスとハーフパンツとのコンビネーションは抜群。足周りの3点セットにトラックジャケットを合わせれば、とことんスポーティーに。
ヘルシーな印象をプラスできるインナーとも好相性ときたら、これからの季節、さらに定番になるに違いない。

あとは、いつものスタイルに捻りを効かせて周りと一歩差をつけたいのならば、本体にキーホルダーを付けたり、シューレースをリボンに変更したり、ちょっとしたDIYを楽しむのも良い。趣味嗜好や偏愛を思い思いのカタチで表現して、スタイリングに個性のスパイスを効かせてみよう。

カジュアルズに学ぶ

シューズの背景にある歴史やルーツも感じたいのであれば、功労者のカジュアルズに学ぼう。
ネイビーのジャージーの下に白い襟が目を引くポロシャツを忍ばせ、絶妙なクロップド丈のカーキのボトムスからはブラックのソックスをのぞかせて、全体を落ち着いたトーンでまとめることで1980年代のストリートの薫りを誘う。

だが、足もとにだけは彩りを。デビュー当時のオリジナルカラーを思わせるブルー&ホワイトのハンドボール スペツィアルは、目を引くアクセントとしてストリートの視線を釘付けにし、博識の愛好家たちの顔をほころばせるはずだ。