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初心者が東京都内で走るならどのランニングコースがオススメ? 湯田友美さんに聞いた

ランニングアイテムをそろえて、時間も確保できた。そんな人が次の段階で迷うのが「ランニングコース」ではないでしょうか。いきなりアップダウンの激しいコースを走るのは大変ですし、そもそもどこを走るのがいいか検討がつかないかもしれません。

そんな初心者ランナーに向けて、adidasランニングアドバイザーの湯田友美さんに、都内でオススメのランニングコースを紹介していただきました。

初心者が走るコースに「皇居ラン」はハードルが高い? その理由とは

— これからランニングを始める初心者ランナーが、例えば、都内を走ろうと思った時に、どこがオススメですか? いわゆる「皇居ラン」が人気なのはよく聞きます。

湯田友美さん(以下、湯田): 「皇居ラン」が人気なのはたしかなのですが、初心者にとってはハードルが高いかもしれません。というのも、コースの大半が上り坂、もしくは下り坂で占めていて、負荷が高いんです。
なので、もし走るのであれば、慣れないうちは上りも下りも坂は歩くほうがいいと思います。しかし、初心者にオススメできない点が、まだあるんです。

— どういったところでしょうか。

湯田:1周が5kmという点です。1周ごとに5km、10km、15km……と走った距離を把握しやすいのが人気の理由でもありますが、逆に言うと、走り終えるタイミングが5kmごとで、初心者にとってはやや長く感じるかもしれません。なので、初心者はもう少し周回の距離が短いコースを選んだほうがよいでしょう。例えば1kmくらいのコースであれば、その日のコンディションに合わせて、1kmごとのいずれかで中断することが可能になります。

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— 5kmごとにしか中断できないのと、1kmごとにやめられるのでは、印象がかなり違いますね。

湯田:さらに言ってしまえば、皇居ランでは、時間帯によってはかなり早いペースで走るランナーの方もいます。

— そういった人がいる中で走るのは、少し怖いかもしれません。

湯田:ですから、中級者になってからチャレンジしていただきたいです。人気スポットですし、景色もよくていいコースですが、初心者が走るのには向いていないかなと。

湯田友美さんオススメのランニングコース

— 初心者にとって皇居ランのハードルの高さがわかった上で、湯田さんがオススメするコースはどこでしょうか。

湯田:皇居ランのハードルが高い理由に、アップダウンの激しさと1周あたりの距離を挙げましたが、そこから逆算して紹介したいのは、「代々木公園」です。公園全体が平坦なので坂道を上り下りする必要はないですし、コースの選び方によって1〜2kmと短い距離で周回できます。
さらに、オススメポイントとして挙げたいのは、アクセスの良さ。原宿駅からすぐなので、電車で向かって、すぐ走ることができます。
また、公園内には「織田フィールド」と呼ばれる陸上競技場があります。利用可能な時間帯を事前に確認する必要がありますが、ロッカーとシャワーが一般開放されているので、着替えなどはそこでできますね。

— アクセスも便利で、着替え場所もあるのはうれしいです。他のオススメコースはいかがでしょうか。

湯田:周回することにこだわらなければ、東京駅周辺もフラットで景色もきれいなのでオススメです。永田町駅近くに、adidasのランナー向け施設「RUNBASE」があるので、そこをスタートに東京駅へ向かって走り、また戻ってくるコースはどうでしょう。2.5〜3kmほどの距離です。
途中で「東京ミッドタウン日比谷」や「KITTE丸の内」、あとは赤レンガでできた東京駅の駅舎などがあって、走りながらさまざまな建物を見るのも面白いですよ。一部、皇居ランと同じ道を走ることになりますが、アップダウンが激しい場所のちょうど反対側を通るので、比較的楽だとは思います。

— 丸の内周辺のビル群を眺めながら走るのは気持ちよさそうですね。夜走るのも楽しそうです。

湯田さん:あとは、隅田川沿いを走るのも気持ちいいですよ。東京スカイツリーや浅草が見えるので、観光気分を味わえます。

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— 純粋に川沿いを走るのはさわやかで良さそうですね。浅草といえば、食べ歩きできるスポットが多いので、「スイーツラン」的な楽しみ方もできそうです。

湯田:そうですね。走り終わった後、浅草によっておいしいものを食べて、電車で帰るのもよいと思います。ダイエットにはならないですが(笑)。

— そうですね(笑)。でも、「ランニング=楽しい」というイメージをつける意味では良いのではないでしょうか。

湯田:同様に、別の楽しみを見つけるなら、目黒駅からスタートして、目黒川沿いを走り、中目黒駅をゴールとする2kmほどのコースもオススメです。川沿いでフラットに走れますし、中目黒に近づくとオシャレなカフェが増えてくるのがワクワクするコースですね。

— ランニングついでに、カフェの開拓ができるのは楽しそうです。

湯田:川沿いもいいですが、海沿いを走るのも気持ちいいですよ。ゆりかもめのお台場海浜公園駅からお台場海浜公園に入って、同じく公園内の自由の女神像に向かい、フジテレビを横目にビーナスフォート前の「夢の広場」に向かうコースは2kmくらいで、初心者にちょうど良いと思います。

— 自由の女神像もそうですし、ダイバーシティ東京のガンダムも横目にできるコースですね。

湯田:お台場方面では、もう一つオススメしたいコースがあって。実はレインボーブリッジが走れることは知っていますか。「レインボープロムナード」という遊歩道があって、東京スカイツリーと東京タワーが見られるコースなんです。ただ、アップダウンがあって走力が必要なコースなので、皇居ランと同じく中級者になってから走ってみてください。

— どんな景色なのか興味がそそられます。ある程度走れるようになったら、ぜひ挑戦してみたいですね。

都内のどこを走ればいいのか迷っているランナーは、ぜひとも湯田さんが紹介したランニングコースを参考に走ってみてください。またadidasが運営するランニング施設「RUNBASE」では、ロッカー・シャワーが使用できるほか、ランニングクリニックや最新シューズのレンタルなども実施しています。興味がある方は、ぜひご利用ください。

取材対象者プロフィール:
湯田友美さん
2004年に愛知淑徳高校からワコール入社。

すぐに頭角を現し入社1年目にアジア選手権3000mで優勝、世界ジュニア選手権でも同種目4位。その後も駅伝の主要メンバーとして多くの大会で優勝に貢献した。2007年の都道府県駅伝では大会記録である29人抜きを達成。
2010年に現役引退、その後はadidas Runnersのコーチや全国各地のマラソン大会のゲストランナーとして活躍中。
アディダスランニングアドバイザー。スマイリーエンジェル代表。

(取材:波多野友子 執筆:杉山大祐 撮影:小野奈那子 編集:ノオト)

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