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創造力 VS プラスチック

海洋プラスチック廃棄物を有益なものに変えるためのアディダスとパーレイの取り組み。

プラスチックは優れた素材に見えますが、実はその設計に落とし穴があります。プラスチックは安価で丈夫、自由に成形でき、製造者や消費者にとって非常に魅力的な素材ですが、同時に、地球のあちこちで見られる多くの汚染を引き起こしています。
私たちが廃棄するプラスチックの多くは、最終的に海に流出し、この汚染は地球の隅々まで広がっているのです。流出したプラスチックは食物連鎖に取り込まれ、海洋生物に影響を与え、環境を破壊し、さらには気候に悪影響を及ぼします。プラスチック汚染の影響を受けていない地球上の土地や海は、事実上どこにも存在しません。

地球と人類が生き残るには、プラスチック廃棄物の増加を防止する取り組みが必要なのです。アディダスはパーレイと協同し、海を窒息させるプラスチック廃棄物とたたかっています。海岸や海沿いの地域で回収されたプラスチック廃棄物をアップサイクルしさまざまなスポーツウェアに作り変えています。

私たちはプラスチック廃棄物の海で溺れている

プラスチックはほとんど分解されません。つまり、製造されたプラスチックの一片一片があらゆる形になって地球上のどこかに残り続けることになります。そして毎年900万トン近くものプラスチック廃棄物が海に流出し、産業規模で破壊を引き起こしています。プラスチックゴミは数千マイルも離れた人のいない海岸に散乱しています。そして、クジラや魚、海鳥を含む約700種の生物の体内からプラスチックが見つかっています。恐るべき速度で海洋生物に深刻な被害を与えています。また、マイクロプラスチックは食物連鎖に入り込み、地球上のすべての生物の体に計り知れないダメージを与える原因となります。こうした事実を知らされているにもかかわらず、私たちはこれまで以上に大量のプラスチックを生産しています。毎分、トラック1台分ものプラスチック廃棄物が海に捨てられていることになります。2050年までには、魚よりも海中のプラスチックゴミのほうが多くなるとも言われています。

パーレイがプラスチック廃棄物への取り組みをリード

パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズは、プラスチック汚染など現在の深刻な海洋危機への新たな答えを見出すことを目的とし、人々や企業、ブランドが一致団結するために設立されました。新たなタイプの環境保護組織であるパーレイは、海洋の美しさと脆弱性について意識を高め、海洋の壊滅を終わらせられるよう、協力するために設立された組織、そしてクリエイターや思想家、さまざまな分野のリーダー同士のコラボレーションネットワークです。創造力こそがカルチャーに変化をもたらす推進力であるという信念に基づき、パーレイはクリエイティブな人々とブランドを結びつけて、プラスチックを過去の遺産にする方法を見つけています。

プラスチックは設計において失敗作。この地球上に存在すべきではない異質な物だ

– Parley創設者、シリル・グッチ

一つの目標に向かってアディダスも団結

パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズの設立メンバーであるアディダスは、プラスチック汚染の防止対策において中心的な存在になりたいと考えていました。海を汚染する材料を活用して、従来のように未使用プラスチック素材を使用したときと何ら変わりないスポーツウェアを作るという構想は、奇抜な思い付きのように聞こえました。最初のステップは、パーレイと協力してフットウェアのコンセプトシューズを製造することで、その製品は2015年に国連で発表されました。シューズのアッパーは、海洋のプラスチック廃棄物や違法な深海漁網から回収され、リサイクルされた糸や繊維で作られました。以来、このコンセプトはプラスチックごみをアップサイクルして作られた数百万足ものシューズやアパレル製品全般、ハイパフォーマンススポーツウェアなど、サステナブルなビジネスへの成功へと発展しています。

海、地球、人間の生命にとって重要な役割を果たすAIR

パーレイは海のプラスチック汚染の危機に対するアプローチを変えるための3方向からのストラテジーを構築しました。それが、Parley AIR。このアプローチは、家庭から学校、企業、そして政府機関に至るまで、すべての人が実施できるシンプルで拡張可能な数ステップによってデザインされています。そのため、私たち一人ひとりが自分のプラスチックの使用方法を変えて、皆で共有する海と世界に良い影響を与えることができます。AIRは、以下の主な行動の柱となる言葉の頭文字から作られました。Avoid(回避)、Intercept(阻止・回収)、そしてRedesign(再設計)。「Avoid(回避)」は、できるだけプラスチックを使用せず、可能な場合はいつでも他の素材を使用するようにします。「Intercept(阻止・回収)」は、プラスチックが海に流れ出るのを防ぎ、プラスチック廃棄物をリサイクルしたり、他の用途を見つけたりします。「Redesign(再設計)」は、材料、方法、製品を再設計することで問題に貢献し、個人レベルでプラスチック汚染の問題に関する見方を変え、結果としてそれぞれのライフスタイルへの異なるアプローチをとります。

古いゴミの新たな使い道

アディダス x パーレイ コレクションはAIRの実例です。バージンプラスチックの使用を回避できるだけでなく、海洋汚染につながるプラスチックの使用を抑止することもできます。ゴミにも素材にもなるプラスチックへの考え方を一新するだけでなく、海洋保護につながる思いがけない方法の発見でもあります。
具体的な方法としてプラスチック廃棄物は、離島や海岸、そしてモルディブのような沿岸のコミュニティに住む、パーレイの世界規模のクリーンアップネットワークの人々によって回収され、梱包されます。回収されたプラスチックは洗浄された後、ラベルを剥がす工程を経て、人の手によって選別と異物の除去が行われます。このプラスチックゴミは次に加工工場に出荷され、そこでプラスチック材は粉砕、洗浄および乾燥の工程を経てプラスチック片になります。

ゴミをスポーツウェアに

次にプラスチック片を加熱し、ふるいにかけ、洗浄・乾燥させてから成形し、冷却してから樹脂ペレット状に刻まれます。これらのペレットは溶かして繊維状の素材に加工され、その後、Ocean Plastic®糸という、未使用プラスチックから得られる全ての品質を備えたハイパフォーマンスポリエステル織糸になります。この織糸を使用してさまざまなシューズ、Tシャツ、タイツなどを作ります。このコレクションの製品はすべて、回収したプラスチック廃棄物を少なくとも75%使用して作られます。

アクションはここからスタート

2015年に1足のシューズを国連に発表した後、パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズとの長期にわたる環境改革パートナーシップにより、数々のパーレイ・オーシャン・プラスチック製品を作り、その数は2020年のみで1,500万に上りました。そして、このParley AIRの指針をグローバルオペレーション全体に適用しています。アディダスは、店頭からプラスチックバッグを排除したため、現在、膨大な量の商品を紙袋に入れてお客様にお渡ししています。そして、世界中のオフィスでプラスチックの使い捨てを禁止しています。また、従業員やアスリート、コミュニティを教育し、プラスチックに対するアクションに参加してもらうよう奨励しています。アディダスの毎年恒例のイベント、Run For the Oceansでは、いままでに300万人を超えるランナーとともに、私たちの貴重な資源についての認識を高め、海岸の清掃や、若い人達にプラスチックの問題や海の状態について知ってもらうため、200万ドルの寄付を集めてきました。

これは、自社のビジネスでのプラスチック使用を廃絶するアディダスの取り組みの序章にすぎません。2024年までに製品に使用するバージンポリエステルを、100%リサイクルポリエステルに切り替える約束を自らに課しています。原材料としてのプラスチックから完全に脱却し、海や地球、私たち一人ひとりを守ることにつなげる長期的な目標です。

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