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明治大学 山本佑樹駅伝監督
「勝負にこだわる走りを見せたい」

新型コロナウイルスの感染拡大の影響があり、昨シーズン前半は軒並み大会やレースが中止に。明治大学が出場を決めていた学生三大駅伝の開幕戦でもある出雲駅伝も開催されませんでした。

それでも代替レースとして開催された多摩川5大学対校長距離競技会、トラックゲームズ in TOKOROZAWAではそれぞれ優勝、準優勝という結果を残し、多くの選手がトラックで自己記録を更新。勢いをそのままに全日本では出場選手全員が区間一桁順位の走りを見せて3位に入りました。しかし、その結果を踏まえて優勝候補の一角にも挙げられた箱根では、総合11位になり、シード権を逃す結果に。山本佑樹駅伝監督に改めて昨シーズンを振り返ってもらいました。

「昨シーズンは夏まではレースがほとんどない状況で、秋になってようやくトラックレースに出られるようになりました。制限がある中でもトレーニングを続けてレースに飢えていた選手たちが、記録を大きく更新してくれたことはとても良かったなと思っています。そうした中で迎えた全日本も、選手たちの頑張りでいい結果が出ました。僕自身も手応えを感じていて、箱根には優勝を狙うということも口にしながら挑んだわけなのですが、思うような展開にならず、良い結果が残せなかったのは非常に残念でした。箱根で優勝を狙える強さを手にするところまでは行けてなかったのかなと思います」

全日本では5位以内、箱根は予選会を突破して本戦でのシード権獲得を目指す明治大学。今シーズンは、真の強さを身につけることをスローガンとしています。

「鈴木聖人が新キャプテンになり、速さだけでなく強さを求めていくことがチームの目標になりました。昨シーズン、トラックで好タイムが出たのはもちろん喜ばしいことなのですが、記録会やレースでトップになる、勝ち切るというシーンが少なかったことを反省点として挙げ、速さを身につけながら、勝負にもこだわるというのをここまでやってきました」

“強さへの挑戦”は、順調に進んでいるのでしょうか。

「5月の関東インカレでは、競走部全体で1部に上がろうという目標を立てて挑み、長距離だけでなく他のブロックの頑張りもあって1部に昇格できました。2部とはいえ、長距離はレベルの高い大学が揃っているので、キャプテンの鈴木聖人が10000mで自己ベストを出して4位、5000mは13分台で5位、副キャプテンの手嶋杏丞が10000mで自己ベストで7位と力強い走りでポイントを獲得できたのは大きかったなと思います。4年生がチームを引っ張る走りを見せてくれ、それに刺激を受けた下級生たちの意識が高くなっているように感じています」

5000m13分台の記録を持つ3名を含む、期待のルーキーたちの成長も順調だそう。

「春先は少し元気がなかったのですが、夏合宿を経て1年生たちにもたくましさが出てきました。箱根の本戦に絡めるのではないかという手応えがある一方、先輩たちも簡単に席は譲らないでしょう。3年生の調子も良いですし、チーム内の競争は激しくなっています」

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そして駅伝シーズンへ。明治大学はまず、箱根の予選会に挑みます。

「箱根駅伝に出るか出ないかというのは、やはりとても大きなことです。走る選手たちにとってはもちろん、応援してくださっているファンの皆さん、大学OB・OGの方たちにとってもそうですよね。私自身、予選会を走った経験がありますが、注目が集まり、さまざまなものを背負うので、当然プレッシャーはあります。しかし、本戦でのシード権獲得のためには必ず通過しなければいけませんし、プレッシャーの中で結果を出せれば、選手たちもまた1つ強くなれると思っています。それに今年も新型コロナウイルスの影響でロードレースの数は減っていますから、力試しをする絶好の機会でもあります。ハーフマラソンの距離をどうマネジメントして走るのかのテストになりますし、ここで良い走りができれば、それは本戦でも活きるでしょう」

11月に待っているのは昨年3位になった全日本。山本駅伝監督は、選手たちが躍動するのをとても楽しみにしていると言います。

「明治大学はどちらかと言えばトラックの5000m、10000mが得意なチームなので、全日本大学駅伝は距離的にもその特性を活かしやすい駅伝かなと思っています。ハイペースで押せる区間が多いですし、大きな順位変動もあって観る側はハラハラドキドキできるレースだと思うので、ファンの方たちにも楽しんで頂きたいですね」

駅伝シーズンのラストを飾る箱根では、しっかりとシード権を獲得するのが目標です。

「箱根駅伝はテレビの視聴率も高く、大きな注目を浴びて、選手たちがたくさんの人たちに自分の走りを見てもらえる機会です。昨シーズンは全日本大学駅伝で3位になれましたが、箱根駅伝でシードを逃してしまったので、どうしてもそちらがフォーカスされる部分があります。それだけ注目度が高いということですし、1年間の総決算でもあるので、応援してくださる方たちの期待に応えるレースをして良い結果を残したいなと思っています。沿道で応援というのは今回も難しいと思うので、ユニフォームの“M”の文字がたくさんテレビに映るように頑張りたいですね」

選手たちに大きなケガもなく、駅伝シーズンに向けての準備は順調。持っている力を出し切って、テレビを観ている人たちにも気迫が伝わるような走りをしてほしいというのが山本駅伝監督の願い。

「強さを求めて1年間やってきたこともありますし、競り合いになったときに簡単に負けない、きつい場面で粘る、食らいつく、懸命な姿を見せてほしいなと思います」

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