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ランナーの目的別に適したジョギングの距離やペースは? adidas Runnersコーチに聞いた

どのくらいの距離やペース、頻度で走ればいいかは、ランニングの目的ごとに異なります。走ることを楽しみたいジョガーや、ダイエット や体力の向上を目的としたランナーが走りすぎてもケガにつながりますし、大会へ出場する場合に練習量が少なすぎるのは不安です。異なる目的を持ったランナーは、それぞれどのくらい走ればいいのでしょうか。adidas Runnersコーチの秋葉直人 さんに詳しく聞きました。

「体作り」「ファンランナー」「シリアスランナー」に適したジョギングの距離やペース

―今回は、ランナーの目的ごとにジョギングに適した 距離やペース、頻度などをお聞きしたいのですが、まずはそれぞれの目的の区分を考えたいと思います。ダイエットや体力の向上を目的としている方、楽しんで走ることを目的とした「ファンランナー」、フルやハーフなどマラソン大会に出ることを目的とした「シリアスランナー」に分けた場合、それぞれいかがでしょうか。

秋葉直人さん(以下、秋葉):ダイエットや体力の向上が目的の方は、週2、3回を目安として走るのがいいでしょう。この区分の方は、もともと運動の習慣がない人が多いかと思いますので、時間は30分前後、距離に換算すると、3〜5kmを目指すといいと思います。2、3カ月続けられれば、習慣化したと言っていいでしょう。

―続いて、ファンランナーの方はいかがでしょうか。

秋葉:市民ランナーの場合、仕事などもあるため、どのくらい時間が取れるか個人差がありますが、平日に週2、3日走れるとしても、無理なく続けられるのは3〜5km程度ではないでしょうか。それに加えて、週末は比較的時間が確保しやすいかと思いますので、10kmなど平日より長い距離に挑戦してみてほしいです。

―ファンランナーの方の中には、フルやハーフなどマラソン大会に挑戦して、シリアスランナーに移行しようと考えている人もいるかと思います。大会に初めて挑戦する場合、何から始めればいいでしょうか。

秋葉:大会に初挑戦する場合は、自分がどのくらいの走力があるのか未知数なので、できれば自分のペースをつかむことから始めてほしいです。例えば、いきなりフルマラソン大会に参加するのではなく、ハーフマラソンの大会に参加して自分の走力を測ってみてはいかがでしょう。

つまり、目標とする大会の半分の距離を走れるぐらいにはしておき、自分のレベル感をつかんでほしいです。そのペースを知ってから、練習のメニューを組むことで、目標の大会に参加することをオススメします。

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― 普段5〜10 km程度を走るランナーが、ハーフやフルマラソンの大会に出る場合、その距離を走れるようになっておかなければならないのでしょうか。走ること自体に慣れているランナーであっても、マラソンでは足を痛めることがあると思います。完走を目指す場合には、どこまで走力を上げておけばいいのでしょうか。

秋葉:フルマラソンの大会に出場する人が、事前に42.195kmを走れる必要はないと思います。ただし、走れる距離は、ある程度伸ばしておく必要がありますね。

マラソンに初挑戦する場合は、例えば、半年後の大会に照準を合わせて、スケジュールを逆算しながら少しずつ距離を伸ばしていくのがよいでしょう。逆に、一気に距離を伸ばそうとすると、ケガにつながるので、計画的に進めてください。

―ファンランナーからシリアスランナーへの足がかりについてはわかりました。では、シリアスランナーが走るのに適した 距離やペースについてはいかがでしょうか。

秋葉:実際にマラソンの大会に出る場合、身体ができていないと、ある程度の距離で、ピタッと足が止まってしまうことがあります。そのため、1時間や1時間半を通しで走れるようになることが目安です 。

目的別ジョギングの距離や時間の目安
ダイエットや体力の向上が目的の人:3〜5km、もしくは30分間前後
ファンランナー:3〜10km 週末に10kmなど長い距離に挑戦しよう
シリアスランナー:1時間〜1時間半を通して走れるように

ジョギングを行うにあたり、注意しておくべき点は?

―続いて、それぞれのランナーが注意しておくべきポイントはありますか。

秋葉:ダイエットや体力の向上を目的とする方は、目標を高く持ちすぎないことです。目標への到達が難しいとモチベーションが下がり、挫折感が出てきてしまいます。まずはランニングを続けることを意識して、楽しく走れる距離や頻度から始めるようにしましょう。

ある程度走れるようになったファンランナーの場合、オーバーワークに注意してください。ランナーあるあるですが、走ることが楽しくなると、走り過ぎてしまって故障する人がいます。ある程度走れるようになったら、スケジュールに休養を入れることを意識してください。

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秋葉:また、全てのランナーに共通ですが、多くの人がウォーミングアップを欠かさず行う一方、クールダウンをしない人が少なくありません。走る前の準備はもちろんのこと、走った後のケアも重要なので、クールダウンも必ず行ってください

―シリアスランナーに対する注意点はありますか。今まで指摘されたことはある程度できている人がほとんどだと思いますが。

秋葉:それこそ、身体のケアを意識してほしいです。長い距離を走れるようになったということは、その分、負荷がかかっていると言えます。ある日突然調子を落としたり、ケガをしたりしないためにも、自分の身体は積極的にいたわってあげましょう 。

目的に合わせてジョギングの距離やペースを決める

今回教えていただいたように、どのくらい走ればいいかは、ランナーの目的によって大きく異なります。自分の目的とレベルを再度確認し、それに見合ったスケジュールやメニューを考えましょう。

adidasでは、マラソン初挑戦者向けのランニングシューズとして、Solar(ソーラー)シリーズ を、中級者向けには「ADIZERO BOSTON (アディゼロ ボストン)」をそれぞれ展開中。ランナーのレベルや目的に合わせて、さまざまなシューズを取りそろえているので、ぜひチェックしてみてください。

取材対象者プロフィール:
秋葉直人さん
adidas Runners Tokyo ランニングコーチ。普段はスポーツトレーナーとして陸上選手を中心にコンディショニングやケガの治療を行っている。また、千葉県で治療院の代表として、市民ランナーなど多くの人のカラダのサポートに従事している。

(取材&執筆:杉山大祐 撮影:藤原慶 編集:ノオト)

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