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ジョギングとランニングの違いは? adidas Runnersコーチに聞くそれぞれの使い分け

ジョギングもランニングも同じように「走る」という意味で使われることがありますが、2つの違いを説明できる人はどのくらいいるでしょうか。ゆっくり走るのがジョギングで、速く走るのがランニング? adidas Runnersコーチの秋葉直人さん に、それぞれの違いと使い分け方を聞きました。

ジョギングの延長線上にあるのがランニング

―ジョギングとランニングの違いはどこにあるのでしょうか。秋葉さんはどのように使い分けているのか教えてください。

秋葉直人さん(以下、秋葉):ジョギングの延長線上に、ランニングがあると考えています。距離や時間を厳密に決めるのではなく、楽しくしゃべりながらも走れるようなメニューをジョギングと呼んでいます

ランニングは、距離や時間、ペースを定めて行うメニューですね。マラソン大会に出場予定のランナーが走力を強化するために行います。

―楽しく余裕を持って走るのと、強化を目的とするという違いがあるのですね。

秋葉:初心者ランナーが挫折してしまうのは、ジョギングではなく、ランニングをしようとしているからかもしれません。走ることを習慣づけたり、筋力や持久力が整ったりするまでは、ジョギングで十分なんですね。余裕を持って走れる範囲で、距離や時間を伸ばしていくことが大事です。

―逆に、ランニングが必要なのは、どのような人でしょうか。

秋葉:それこそ、マラソン大会に出場する人には必要なトレーニングメニューです。完走を目指す人はもちろん、より早いタイムを目指す人もランニングでの強化が欠かせません。

ランニングを始めるには何が必要?

―例えば、週3回ジョギングをしている人が、ランニングを取り入れる場合、どのようなことから始めればいいでしょうか。

秋葉:週3回のジョギングのうち、1回をランニングにしてみるといいでしょう。ジョギングと違い、ペースを意識して走ることを始めてみてください。慣れてきたら、ペースや頻度を上げて、強度を少しずつ高めるといいでしょう。

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―ランニングは距離や時間、ペースなどを決めて走ることだとおっしゃいましたが、具体的にはどのように設定すればいいでしょうか。

秋葉:例えば、60分間ジョギングができるとして、最初から最後までずっと同じペースでも、ペースを落とすわけでもなく、後半にペースが上がるように走ってみましょう

―走れば走るほど、体力が減ってペースは下がってきますよね。後半にペースを上げるためには、最初はペースを落としておくのでしょうか。

秋葉:いえ、いつものペースで走ることが大切で、後半になったらペースを上げるのがランニングですね。慣れるまでは体がきついと感じるかもしれませんが、それを乗り越えて強化することが目的なので。

―なるほどですね。また、ランニングを行う上で、特定の筋肉をつけなければいけないとか、筋トレをしなければいけないなどはありますか。

秋葉:いろいろな考え方があるので一概には言えませんが、個人的には、走るときに上半身がぶれてしまう人は、体幹を鍛えたほうががいいですね。上半身がぶれると、力が横に逃げていくので、効率よく走れるような筋肉をつけることが重要です

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―ランニングの話を伺うついでに、マラソン大会へ挑戦する際のポイントもお聞きしたいと思います。マラソン大会に出場する際、「何日前までにこのぐらい走れるようになる」など目標設定の目安はありますか。

秋葉:目標とするタイムから、ペースを割り出して、普段からそのペースで走れるようにしたいですね。サブ3を目指す場合、1 km あたり4分15秒のペースで走らなければなりません。現状はそのペースで走れなくても、本番まで逆算をして、徐々に目標ペースまで近づけるようにしましょう。

また、市民ランナーの方を見ていて感じるのは、大会の直前までランニングの負荷を上げる人がいますが、直前期は負荷を落として調子を整えることを意識してください

―不安から練習量を下げられない気持ちになるのはわかります。コンディションを整えるためには、何日前くらいから負荷を落とせばいいでしょうか。

秋葉:目安は2週間前ぐらいです。不安になる気持ちはわかりますが、コンディションを万全にすることもランナーとして重要です。コンディションの調整も考慮して、計画的にメニューを決めてもらえればと思います 。

ジョギングとランニングをうまく使い分けて楽しもう

余裕を持ちながら走るジョギングと、自己の強化のためにペースや時間などを定めたランニング。目的に応じて、それぞれをうまく使い分けながら、ランニングを楽しみましょう。

adidasでは、マラソン初挑戦者向けのランニングシューズとして、Solar(ソーラー)シリーズ を、中級者向けには「ADIZERO BOSTON (アディゼロ ボストン)」をそれぞれ展開中。ランナーのレベルや目的に合わせて、さまざまなシューズを取りそろえているので、ぜひチェックしてみてください。

取材対象者プロフィール:
秋葉直人さん
adidas Runners Tokyo ランニングコーチ。普段はスポーツトレーナーとして陸上選手を中心にコンディショニングやケガの治療を行っている。また、千葉県で治療院の代表として、市民ランナーなど多くの人のカラダのサポートに従事している。

(取材&執筆:杉山大祐 撮影:藤原慶 編集:ノオト)

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