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「どんなに暑くても肌の露出はできるだけ減らす」 ナイトランで女性が直面する現実

2023年3月17日、アディダスがナイトランイベントを実施しました。15名の参加者が夜道を通常どおり走るほか、暗い道での安全が確保されたバイクエスコートランを体験。その後、東京・渋谷のブランドセンター RAYARD MIYASHITA PARKで座談会を行い、感想を話し合いました。

女性が夜ランニングする時に感じる不安や、夜道を走る際の安全性の確保について意識し直すことを目的とした同イベント。このイベントに参加した、ランニング経験者のアディダス 直営店スタッフであるランニング エキスパートの木下日南子さん、松井盟さんに、ナイトランのために普段から工夫されていることや、女性が安心安全に走れる環境についての思いを聞きました。

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*ランニング エキスパートの木下さん(写真左)、松井さん(写真右)

「夜走るときは男女どちらにも見られる服を選ぶ」 ナイトランで感じる不安

— 本日はお疲れさまでした。お二人は普段から夜道を走っているそうですが、夜にランニングすることについて、まずはメリットを教えてください。

松井
女性にとっては、容姿を気にしなくて良いのが一番のメリットです(笑)。よく見えない時間帯なので、メイクが崩れた状態でもある程度テキトーなコーディネートでも、人目を気にせず走れることがメリットだと思います。

木下
人やクルマの少ないところなら、周りの目を気にせず自分のペースで走れるところもいいですね。

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— 逆にデメリットだと感じることは何ですか。

松井
誰もいないようなところで、突然人の気配がしたり、クルマが出てきたりすると怖いと感じます。

木下
暗いので、周囲に何があるのかわからないところです。何かの拍子で音が聞こえてびっくりすることもあります。

— 普段、夜道を走るときに気をつけていることはありますか。

松井
自分の存在を知らせるためにリフレクター(反射材)があるウェアやシューズを身に付けるようにしています。おすすめはリフレクターソックスです。光が当たったときに足の回転が見えやすいですし、印象にも残ります。それに、見ている人の目線も足元に行きやすくなります。

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*白い部分が光を反射するリフレクターソックス

木下
私も、目立つように蛍光色のジャケットを着ています。

松井
細い道は街灯がないこともあるので、スマホのライトを使って足元を照らすようにしています。スマホはすぐ取り出せる場所に持っていますね。

木下
スマホは落としやすいので、チャック付きのポケットがついているランニングウェアやボトムスがいいですよ。ポケットにスマホがしまえないときは、スマホ用のポーチやショルダーもおすすめしたいです。

松井
最近では、タイツにポケットがついていて、スマホが収納できるものもあります。

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— 暗い道ゆえの対策はどんなランナーにも必要だと思いますが、女性だからこそ意識して気をつけているポイントがあれば教えてください。

松井
ボトムスはショート丈ではなく、ロングにしています。どんなに暑くても、できるだけ肌の露出は少なくするようにしているんです。

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木下
同じく、露出は控えるようにしています。オールシーズン、ロング丈に長袖です。夜は気温が低いという理由からもジャケットを着ています。

松井
あと、身体のラインにフィットするような服は選ばないようにして、男女どっちでも見られるような服を選んでいますね。女性らしいウェアは昼にランニングするときに楽しみます。

— 女性が安全に夜道を走るために、コース選びの注意点はありますか。

松井
土地勘があるところを選んで走ったほうが良いと思います。何かあったときに、ここに行けばいいとわかるので。私は昼間に調査を兼ねて散策することもあります。

木下
大通りの歩道など、明るいところを走ります。なるべく自分が知っていて、街灯がある場所を中心に選んでいますね。

— 現状では、女性が夜走ることに対していろいろな制限があります。今後、どう変わってほしいと思いますか。

松井
男性にとって恐怖ではないことも、女性にとっては恐ろしく感じることがあります。すれ違う人、停まっている大きなクルマなどを不安に感じてしまうことも。どのように環境を整備していくかが課題だと思いました。危ない場所には警備をつけるなど、地域で取り組みができるといいですね。

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木下
夜もランナーをちらほら見かけますが、男性が多い印象です。女性にとって、夜の時間帯でのランニングは暗さや安全性が気になるのかもしれません。私は家の近くを中心に走るのですが、暗い道が多いのでスマホは欠かせません。街灯を増やすことで、より走りやすくなるのではないでしょうか。

— 安全のため、複数人で走ることも有効だと思います。今後、今回のように夜誰かと一緒に走ってみたいですか。イベントの感想と合わせて教えてください。

松井
夜はなかなか友だちと時間を合わせづらいんですよね……。でも、機会があればまたこういうイベントにも参加したいです。通常とエスコートランとの大きな違いとしては、自分の後ろにいるメンバーの安全まで配慮する必要があった点だと感じました。障害物や信号に気をつけるように伝えたり、ちゃんとついてきているか確認したりしていました。

木下
基本は一人で走るタイプですが、みんなと走ることは新鮮な体験でした。声をかけると「はい!」と返事をくれるので、達成感もありましたね。機会があれば今後もやってみたいです。

「集中しているから周りに気づけない」ナイトランでの安全性の確保

ナイトラン後、店舗に移って行われた座談会では、通常とエスコートランの2種類のランニングの感想や、走ったときに女性目線でどんなところに不安を感じたかを話し合いました。座談会で出た意見を一部ご紹介します。

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「ナイトランの中で不安や危なさを感じたか」という質問には、3分の2の人が挙手。途中で出会った怪しい人物やクルマに危険を感じたという声が多く寄せられたのですが、後からそれらがスタッフによる仕込みと知り、まさかの種明かしに驚く参加者。

多くの人が感じた怪しい人物やクルマにも気づかなかった男性参加者もおり、男女での意識の違いが浮き彫りになった一幕も。別の男性参加者からは「普段はあまり考えなかったけど今日参加してみて、女性は走る上で気をつけないといけないことが男性より多いと分かった」という意見が出ました。

「走っているときは集中していて無の状態」だったり、イヤホンで音楽を聴きながら走っていたりしているため、周りに気づきにくいのだと分かった、という声もあり、今回のイベントを通して、周囲への注意の大切さに気づくきっかけへとつながったようです。

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*自転車が並走するエスコートラン

安全対策としてスマホを持っていくという参加者は多く、ライトで道を照らすほか、「真っ暗な道で倒れたら誰にも助けてもらえないかもしれないので、スマホは必ず持っておこうと思った」という意見も出ました。

夜走る際に、皇居周りを選んでいるという声も。「警備員がいるから安心して走れる」という理由だそうで、走る場所選びをすることで、夜でもランニングに集中できるとのこと。

そういった場所が増えることで、誰もが走りたいときに、走ることだけに集中できる世の中になっていけば。そんなことを感じさせる座談会でした。

シリーズ最軽量 軽やかな走りを実現する「ウルトラブーストライト」

最後に、今回のイベントで松井さん、木下さんが履いて走った「ウルトラブーストライト」をご紹介。二人に感想を伺いました。

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— ウルトラブーストライトはシリーズ最軽量のシューズですが、履いて走ってみた率直な感想を教えてください。

松井
軽くてびっくりしました! これまでのシューズと全然違います。

木下
これまでウルトラブースト22を履いてきましたが、さらに軽くなっていました。クッション性があり、柔らかい。履いていて重みを感じません。

松井
メッシュ素材で涼しいのもいいですね。靴の中で足がブレず、しっかりホールドされます。エネルギーを逃さず、走ることに集中できました。

— ウルトラブーストライトはどんな人におすすめですか?

木下
かかとが靴擦れしやすい人に良さそうです。かかとがパカパカせずにフィットしますし、柔らかくて負担がかかりにくいと思います。特に初心者だと、靴選びに悩む方も多いんです。このクッション性と軽さは、ぜひ体験してほしいです。

松井
これから走りたいと意気込んでいる初心者〜中級者に、幅広くおすすめできます。走るきっかけを探している人は、試してほしいですね。足に窮屈さがないので、足運びが軽やかに、リズミカルに走れますよ。

ウルトラブーストライトを見るiconArrowLeft

誰もがただランニングを楽しめる世界のために

性別を理由にウェアやコース選びに制限が生じてしまう、何かしらの安全策を取らなけれなならない。本来なら、誰もが走りたい時にただ走れることが理想ですが、なかなか難しい現実があります。そういう現実があると理解したり、お互いに思いやりを持つことが、あらゆるランナーがランニングを楽しめる世界を実現していくための第一歩となるのではないでしょうか。

(取材&執筆:ミノシマタカコ  編集:ノオト)

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プロフィール

木下 日南子(キノシタ ヒナコ)
中学、高校陸上部約6年間短距離(100m,200m,400mR)を経験。
陸上を始めた理由は、走ることが好きだったのと小学生の時の運動会のリレーで一緒に走った先輩に声をかけてもらったのがきっかけ。
中学の時に地区予選100m7位入賞、400mR日本選手権出場。
高校生の時に怪我をしていい成績は出せませんでしたが、400mR県大会出場。
adidasブランドコアスコア 銀座店勤務

松井 盟(マツイ メイ)
兵庫県出身。
サッカーやソフトテニスのスポーツ経験があり、2022年から本格的にランニングを始めて今ではフルマラソン サブ4を狙うランナー。
adidasブランドセンター ミヤシタパーク店勤務

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