ランニング
生理中や夜道のランニングはどうしてる? ADIDAS RUNNERS TOKYOキャプテンJuliaが実践している、ランニング女子が抱える女性特有のハードルの越え方
コロナ禍において運動不足やストレスの解消のため、ランニングにチャレンジする女性が増えています。ただ「生理中のランニングが心配」「仕事の後にランニングをしたけれど夜道を走るのは不安」と、女性ならではのストレスや障壁を抱えるランナーも少なくありません。
女性ランナー特有のハードルにどう向き合えばよいのでしょうか?
ランニングコミュニティ「ADIDAS RUNNERS TOKYO」のキャプテン Julia Wameser(ワメーザ・ユリア)さんに、普段のランニングやレースで感じる女性特有のストレス、その解決法を聞きました。
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ユリアさんが普段のランニングやレース中に感じる、女性ならではのストレスやハードルはありますか?
- ユリア
走っているとバストが揺れて痛くなったり、スポーツブラで脇の下が擦れたりするのが気になります。生理中はバストのサイズが変わるので、スポーツブラのサイズが合わなくなりますね。レース中は汗をかいて長く走る分、さらに痛くなりますが、我慢するしかないと自分に言い聞かせてきました。
生理痛を抱えながらランニングをするのも辛いですね。私は毎週水曜日にスピード練習をすると決めていますが、生理がちょうど重なることも多いです。
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ランニング中の胸周りの痛みはなにか改善できる手立てはあるのでしょうか?
- ユリア
adidasから新しく発売されたスポーツブラ「W RUN FI LUXE ハイサポートブラ」が気になっています。複数のアジャスターを調整して、自分のバストにフィットした「マイスポーツブラ」にできるそうなんです。高校生の時からずっと同じスポーツブラを使ってきたので、新しいスポーツブラを試してみたいですね。
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生理が重なった時のトレーニングはどうしていますか?
- ユリア
多少の痛みだったら痛み止めの薬を飲んで、カイロでお腹周りを温めて走っています。生理痛があまりにも酷い日は休んでいますね。1、2日休む程度ならトレーニングに支障は出ないと思うので、焦ることなく、身体の声に従ったほうがいいと思います。
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レースに生理が重なりそうな時はどうしていますか?
- ユリア
生理日管理アプリで生理予定日を確認してから、レースにエントリーするようにしています。生理にレースが重なると、ナプキンが擦れるなど本当に辛いんです。生理が重なりそうなレースには、エントリーしないようにしていますね。
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女性は生理などで「バイオリズム」が崩れ、気持ちの浮き沈みが激しくなることもあります。ユリアさんは気分が落ち込んでいる時も、ランニングは続けるようにしていますか?
- ユリア
生理中のテンションは、ローラーコースターのように上下しますよね。私も仕事中は「帰ったら走ろう」と思っていても、帰宅したら休みたくなることもあります。生理中は貧血になる可能性もあり、無理してトレーニングを続けると怪我につながりかねません。私は身体の声に耳を傾けて、走りたくない時は休むようにしています。
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身体面以外の悩みでいうと、夜道でのランニングに不安を抱えている女性ランナーも多いです。ユリアさんが気をつけていることはありますか?
- ユリア
一人で走らないようにしています。私自身、夜に代々木公園を走っていた時、知らない男性に声をかけられ、後をつけられたことがあるんです。夜道のランニングはなるべく友人や家族と一緒に走ってほしいですね。
一緒に走ってくれる友人などが誘えなかった場合は、必ず愛犬を連れていきます。知らない人が近づいてくると、吠えてくれるので安心です。また、暗い場所でも目立つように、明るいカラーのウェアを着ることも心がけています。
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一緒に走ってくれる友人がいると、心強いですよね。ただ、女性ランナーは少しずつ増えているものの、男性に比べると少なく、「ランニング仲間」を見つけにくいと思います。ランニング仲間を増やすにはどうすればよいでしょうか?
- ユリア
ランニングコミュニティに参加するのはいかがでしょうか? 私がキャプテンを務めるADIDAS RUNNERS TOKYOは、ビギナーからプロのレベルに近いランナーまでが一緒に活動するランニングコミュニティです。1kmを6分くらいかけて走る初心者ランナーも、4分前半で走るシリアスランナーも、一緒にトレーニングが楽しめます。
ランニング仲間ができるとモチベーションも上がりますし、一人で走っているときよりタイムも距離も上がります。現在はコロナ禍のため練習は不定期ですが、これから増えるかと思います。
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ランニング仲間ができると、ランニングがもっと楽しくなりそうですね。
- ユリア
私も2年半前にドイツから日本に移住した時は、ほとんど知り合いがいませんでした。友人が次々と増えたのはランニングを始めてからです。八丈島のレースで知り合った方の練習会に参加してから、一気に友達が増えました。ランニング仲間と一緒に練習すると、妥協せずにメニューをこなせますね。
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最後に、ユリアさんが愛用しているランニングシューズについてお聞かせください。最近では「ULTRABOOST22(ウルトラブースト22)」がお気に入りと聞きました。
- ユリア
「ULTRABOOST」のモデルは以前から履いていますが、最新モデルの「ULTRABOOST22」はフィット感がまったく違いますね。女性ランナーのために作られたシューズというだけで、「私のために作られている」とモチベーションも上がります。
「BOOSTフォーム」は反発力とクッション性が高く、疲労が溜まっている日の練習も楽に走り切ることができます。アウトソールはタイヤにも使われる「コンチネンタル」というラバーが採用されているので、滑りにくく、クロスカントリーでの練習にもぴったりです。足に優しいだけでなく、質の高い練習を積めるシューズですね。
女性ならではのハードルの越え方に正解はありませんが、グッズやサービスをうまく取り入れることで、少しでもよい方向に動かすことができるかもしれません。ランニングコミュニティなどを通じ仲間と出会うことで、同じ悩みを共有したり、アイデアを得たりするのも一つの手ではないでしょうか。
(取材&執筆:荘司結有 編集:ノオト)
プロフィール
ワメーザ・ユリア
ドイツ ミュンヘンに生まれ、2019年に大学卒業と同時に日本へ。
学生時代から陸上競技をやっていたことがきっかけで、現在も市民ランナーとして走り続けており、2022年1月よりADIDAS RUNNERS TOKYOのキャプテンとして活動中。
Instagram: @juliakkumaaa