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「ジブンを信じきる」ことが岩出玲亜選手のスタートライン

日本では、陸上の女子長距離選手は実業団に所属して活動するのが一般的。プロランナーとして活動している岩出玲亜選手は、そんな状況を打破したいという思いから、所属していた実業団チームを離れ、プロへの道を選んだと言います。

「日本で長距離選手として活動したい、マラソンの選手として活動したいと思ったら、実業団に入るのが主流というか、それ以外の選択肢がほぼない状況なんです。実業団に誘われなかった選手や、実業団が合わずに辞めてしまった選手に、実業団以外にも選択肢があることを見せたい、新たな道を切り拓けたらいいなという気持ちからプロでやっていくことを決意しました」

男女を合わせてもプロランナーという前例が少なかった日本の長距離界。ある程度の安定が担保される実業団を飛び出すのに、不安はなかったのでしょうか。

「もちろん不安はありましたけど、ワクワクのほうが大きかったかなと思います。新しいことに挑戦することは好きなほうなので。新たな道を切り拓くことに対するワクワク感のほうがありました。実業団以外の選択肢がないっていうのは大きな問題だなと思っているので、“私も岩出さんのようにプロとしてやりたい”という若い選手が出てきてくれるのが理想ですね」

ワクワク感とともに進んだプロの道。良いこともあれば、苦しいこともあるそうです。

「人との出会いが増えたのは本当に良かったところですね。実業団の中は、どうしても閉鎖的というか、同じチームのメンバーと練習して、食事をして、寝てということの繰り返しになってしまいます。プロになってからは、本当にたくさんの人との出会いがあって、新しい発見があって、陸上界をさまざまな角度から見られるようになりました。苦労したのは、やはり資金面。合宿をするにしても結構なお金がかかりますし、資金を集めるにしても結果がふるわなければ上手くいきません。その辺りはシビアかなと思います」

岩出選手は、プロのランナーとして結果を追い求めるのはもちろん、愛されるランナーを目指したいと言います。

「たくさんのファンの方に愛される、応援してもらえるランナーになりたいなと思っています。オンラインコミュニティ、SNS、動画配信、イベントなどもファンの方との接点を作れたらなという思いでやっています。少しでも接点がある選手がいると、よりマラソンを楽しく観られたりもするのかなと思いますし、自分を通してマラソンの楽しさを伝えていきたい気持ちもあります」

ファンの応援は力になる。大きな夢だった世界大会出場が叶わなかった後、再スタートを切ろうという気持ちになったのも声援の後押しがあったからなのだそうです。

「ずっと目標にしていた大会の出場に届かず、夢が途切れて、そのときにやめようかなと思ったのも確かです。そんなときに“次、期待しているよ”“次、頑張ってね”という声を市民ランナーの方たちから頂いて。自分の中で、ここは終わりじゃないなという気持ちが芽生えてきたんです。それで再スタートを切って。まだ2024年が具体的に見えているわけではないですが、そこに向かいながら一つ一つの試合を大事に噛み締めながら走っているという感じですね」

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プロへの転向、夢への挑戦、その夢が破れてからの再スタート。岩出選手は、ジブンを信じきることができているからこそ、チャレンジを繰り返し、競技を続けられていると言います。

「自分の可能性を信じきれていないと、私は競技を続けていないと思うんですよ。まだ自分は今以上に強くなれる、今以上に大きな結果を出せる、良い成績が残せると思っているからこそ、毎日頑張れるし、練習もできています」

そして岩出選手にとってはジブンを信じきることがスタートラインなのだそう。

「何かをして、その結果として自分を信じられるようになったというよりは、自分を信じて努力するからこそ結果が得られるのではないかと思います。自分の可能性を信じているから努力ができるし、きついことにも向かっていける。私は自分ならやれると思うことが一番大事かなと思いますし、1年間365日、ずっと自分の可能性を信じて生きているのは確かです」

女性の長距離選手たちに、プロとして活動するという選択肢を見せたいと常々語っている岩出選手。女性特有の悩みに苦労している中学生や高校生のアスリートには、ネガティブにならず、体の変化を楽しみながら、自分ができることを模索してほしいと伝えたいと言います。

「私は中学二年生のときに生理がきたんですけど、それまでは何をどれだけ食べてもガリガリで、太るということを知りませんでした。生理がきてからは太りやすくなって、そのせいでケガも増えて。練習が思うようにできないことがあるし、出たい試合に出られなかったりもして、すごく苦労をしたし、たくさん悩みましたが、今では生理が人間として大切なこと、必要だということがわかります。体の変化って不安のほうが大きいんですけど、変化を受け入れて、楽しみながら、その中でどうすると自分が最高のパフォーマンスを発揮できるのかを、みなさんにも探していってもらえたらなと思います。私も試行錯誤をしたことで、いろいろな発見、学びを得られたので」

次に走るのは名古屋。岩出選手にとって、思い入れのある大会です。

「名古屋は地元(三重県出身。愛知県の豊川高等学校を卒業)に近く、走るとたくさん応援して頂けて、たくさん力がもらえます。ベストもセカンドベストも名古屋で出したものなので、相性もいいと思っています。良い走りをして、2024年への挑戦権を獲得したいですね」

もちろん、いつかは2時間23分52秒の自己ベストを更新したいという気持ちもあると言います。

「今シーズンは少し厳しいかなと感じているんですが、来シーズンは2時間22分台が出せるように頑張っていきたいですね。2時間23分の壁を越えるのが次のチャレンジです」

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2024年への挑戦権の獲得、自己ベストの更新という目標をともに目指すのがアディダスのシューズです。

「レースで愛用しているのは『アディゼロ アディオス プロ 2.0』です。クッショニングが良くて、反発性にも優れているのが、私にとっては一番助けてもらっているところというか、気に入っている部分です。練習でも、スピードが必要なトレーニングのときは着用しています。安全に、ケガなく、継続的に練習することが成長への近道だと思っているのですが、『アディゼロ アディオス プロ 2.0』はそのサポートをしてくれるシューズでもあります。主にジョグで愛用しているのが『アディゼロ ボストン10』。クッションがあり、長いジョグなどの練習後でもダメージが残りにくいところが気に入っています。」

自分の可能性を信じて走る岩出選手。これからも多くのチャレンジを見せてくれるはずです。

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プロフィール

岩出玲亜(いわで れいあ) 1994年12月8日生まれ、三重県津市出身。
高校卒業後、実業団入り。2013年にハーフマラソンで1時間9分45秒のU20日本最高記録を記録。2014年に世界ハーフに出場し、団体で銅メダルを獲得(個人19位)。2014年には10代日本最高記録となる2時間27分21秒を記録。2019年3月に記録した2時間23分52秒がフルマラソンの自己ベスト。

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