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青山学院大学 飯田貴之選手
「4年間の集大成を最後の学生駅伝にぶつけたい」

2021年1月の箱根。優勝候補の一角に挙げられていた青山学院大学は、往路で12位と出遅れたものの、復路で巻き返し総合4位(復路優勝)という結果に。改めて「勝ちたい」という思いが強くなったと飯田貴之選手は言います。

「往路が終わったときは、このままでは終われない、終わりたくないという気持ちでした。4年生だった8区の岩見(秀哉)さんを中心に、復路は絶対に優勝しようと話をして復路に挑みました。ギリギリでしたけどなんとか復路を取れて良かったと思う反面、やはり悔しさが残りました。箱根駅伝が終わってチームのみんなが“勝ちたい”という思いを新たにしましたし、“勝たなければいけないチームに所属している”という実感も改めて湧いてきました。そして箱根駅伝を含めて3つの駅伝をすべて取る、駅伝三冠をチームの目標にしたんです」

箱根が終わりキャプテンに就任した飯田選手。個人としては、キャプテンとしてチームを引っ張るのはもちろん、3つの駅伝をすべて走ってチームに貢献したいと言います。そして、今年の前半期、トラックシーズンでは5000m13分台を達成することを目標に掲げていました。

「今まで箱根駅伝を3度走らせてもらっているので、その経験も活かして、チームの三冠に貢献したいと思っています。僕はトラックレースがそんなに得意ではなく、スピードタイプではないのですが、それでも5000mで13分台というのは一つの基準ではあると思うので、それを達成しようと取り組んできました」

トラックシーズンでは見事に5000m13分台を2度達成。それでもキャプテンとしての自分に物足りなさを感じているのだとか。

「前年のキャプテンの神林(勇太)さんは、練習でも試合でも先頭を切って走ってくださっていて。その姿を見ていたので、僕も同じように先頭で走ってチームを引っ張りたいという気持ちがありました。しかし、箱根駅伝が終わってすぐと、夏合宿前に疲労骨折で練習に参加できない期間があって、それができなかったことに物足りなさを感じています。ただ、副キャプテンの高橋(勇輝)らが代わりに引っ張ってくれましたし、同期の助けもあって、4年生としてはここまで上手くチームを引っ張ってこられているのではないかと思っています」

今シーズンは疲労骨折で走れなかった期間があったものの、現在はケガも癒え、コンディションは上々。夏合宿を終えた時点での状態は、4年間で一番良いそうです。

「僕は練習の中身が試合の結果に直結するというか、ケガなどで走る練習がしっかりとできていないと走れないタイプでした。おそらくその原因は、走ること自体が好きなので、ケガをして走れなくなると気持ちの落ち込みが大きいこと、それから早く治したいがために補強よりも休養を優先したい考えがあったことかなと思います。ただ今年に関しては、故障期間中に焦ることなく、自分自身の足りない部分の強化に繋げられました。走れないときでも故障した部位に負担がかからない動きを探して下肢を強化するトレーニングを続けましたし、青学の基礎であるコアトレーニングにも改めて時間をかけて取り組むことができました。その結果、自分に一番足りなかったスピードの強化ができて、5000m13分台という目標の達成に繋がったのかなと思っています。2度の故障があったものの、良い状態で駅伝シーズンに入って行けそうです」

10月の出雲、11月の全日本、そして正月の箱根。3つの駅伝すべてに出場し、チームの三冠に貢献したいという飯田選手は、それぞれの駅伝で走りたい区間はあるのでしょうか。

「出雲駅伝で言えば、最も長い区間(10.2km)の6区を走りたいという気持ちがあります。それから出雲駅伝で僕の中で凄く心に残っているシーンがあるんです。28回大会で、青学5区の安藤(悠哉)さんが、他大学の選手に競り勝って、アンカーの一色(恭志)さんに襷を渡すところなのですが、それが凄く印象的だったのと、アップダウンのある5区は僕が結構機能するのではないかと客観的に見ても思うので、5区か6区を走れたらなと思っています」

2年生時に一度、全日本を走っている飯田選手。そのときはアンカー区間の8区を走りました。

「区間順位は7位で、そのときはアンカーを任せてもらったのに他大学の選手に歯が立たず、悔しい思いが残っています。なので、できれば同じ8区を走って、いい走りを見せたいなという気持ちがあります」

そして最大の目標となるのが正月の箱根。飯田選手は1年生時に8区、2年生時に5区、3年生時に9区を走り、それぞれ区間2位になっています。

「家族揃って毎年観ていたこともあって僕の中で箱根駅伝の存在は大きくて、陸上を始めたきっかけでもあるんです。箱根を走れるのは今回が最後なので、強い気持ちを持って走って、その姿を多くの人に観てもらいたいという気持ちがあります。一番走りたいのは山登りの5区。2年生のときは当時の区間記録を更新できたのに区間賞を持っていかれてしまったので、もう一回走って区間賞を獲りたいという気持ちが大きいです。ただ、3年間違う区間を走ってきたので、違う区間を走ってみたいという気持ちもあったりして(笑)」

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前回の箱根では「アディゼロ アディオス プロ」を勝負靴に選んだ飯田選手。現在、トレーニングやレースで愛用しているのは「アディゼロ ボストン10」と「アディゼロ アディオス プロ2」だそうです。

「最近はボストン10とアディオス プロ2しか履いていないぐらい気に入っていますね(笑)。アディオス プロ2は凄く自分にマッチしている感じがありますし、ボストン10はジョグにも使っています。どちらのシューズも腰の位置が高くなる感覚があり、ストライドが自然に伸びるのですが、股関節周辺の筋肉を結構使うので、そこのケアは意識して入念にやっています」

駅伝では流れも大切。だからこそ、最終学年となる最後の箱根は往路を走りたい気持ちがあると飯田選手は言います。

「僕のタイプ的には2区、4区、5区。エース区間の2区で僕が勝負できれば、チームが楽に回るのかなとも思います。最終的には監督が決めることなので、僕はどこでも走れるように準備するだけです。箱根に関してはずっと区間2位なので、とにかく区間賞。これだけは譲れません!」

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